PR TIMES プレスリリース

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【新国立劇場】《ロッシーニの幻の大作『ウィリアム・テル』がついに初登場!日本初、待望のフランス語舞台上演!》

2024年10月30日
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文化庁



新国立劇場(東京都渋谷区)にロッシーニ最後のオペラにして最大傑作『ウィリアム・テル』が初登場します。日本での上演は極めて珍しい、幻の大作が待望の上演です。『ウィリアム・テル』は伝説の英雄ウィリアム・テルをめぐるシラーの戯曲を原作に、ハプスブルク家の圧政下にあった14世紀スイス・アルプス地方の民衆の自由への闘いを描く歴史劇。「『ウィリアム・テル』序曲」として老若男女におなじみの序曲、そして弓の名手ウィリアム・テルが息子の頭に載せたりんごを見事に射抜くエピソードはあまりにも有名。巨匠コッコス演出、大野和士芸術監督の指揮のもと、最高峰のロッシーニ歌いが揃い、オペラ上演史に輝く記念碑的公演が開幕します。
公演情報
ロッシーニ最後のオペラにして最大傑作!『ウィリアム・テル』が新国立劇場初上演
ロッシーニ最大の傑作『ウィリアム・テル』。ベルカント・オペラの旗手としてヒット作を連発したロッシーニが、フランス風の美しい旋律を追求し、ロマン主義的なグランド・オペラの扉を開いた画期的作品です。
舞台となるのは、スイス連邦建国の起源とされる“リュトリの誓い”(1291年、スイス三原州――ウーリ、シュヴィーツ、ウンターヴァルデンの三州――が相互援助を誓った)の頃のウーリ州。ハプスブルク家の圧政に喘ぐスイス・アルプスの民衆の闘いを描き、スイス側の青年アルノルドと支配者側のハプスブルクの皇女マティルドの身分違いの愛をもう一つの軸に、自由への闘いと共に、愛の歓びと苦しみ、そしてアルプス地方の豊かな自然美が瑞々しい音楽で描かれます。愛国者たちの苦悩と連帯、支配者との衝突と自由の勝利が劇的に語られ、幕切れでは清らかなハープに導かれて自由を謳う崇高な大合唱が響き、血で血を洗う争いの物語が浄化されます。
上演困難な大作『ウィリアム・テル』の原語(フランス語)での舞台上演は日本では初めて。近年欧米の主要劇場でもフランス語版での重要な上演が続く中、オペラファンとしては絶対に見逃せない上演となります。
注目の巨匠ヤニス・コッコスによる新演出
演出は大野和士芸術監督が厚い信頼を寄せるヤニス・コッコス。演出家・舞台美術家として世界で活躍する巨匠が2021年『夜鳴きうぐいす/イオランタ』に続いて登場します。作品の背景を重視し、時代を横断して現代に反映させることを得意とするコッコス。抑圧と抵抗、そこから生まれる希望、そして親子、恋人との情愛を現代につなぐ演出から目が離せません。
コッコス氏とクリエイティブ・チームは『夜鳴きうぐいす/イオランタ』では新型コロナの渡航制限で来日が叶わず、フランスと日本を連日繋いで完全リモート演出による新演出を行い、象徴的で心に染み入る、秀麗な舞台を生み出しました。困難な創作活動で培われた日本側スタッフとの絆で、大作の演出に挑みます。
舞台デザイン

第1幕 舞台イメージ

第3幕 舞台イメージ



コッコス氏による『ウィリアム・テル』スケッチ

コッコス氏による『ウィリアム・テル』スケッチ


衣裳画(ギヨーム・テル)

衣裳画(ジェスレル)

ヤニス・コッコスインタビュー https://www.nntt.jac.go.jp/opera/news/detail/6_028384.html

ミシュケタ、バルベラ、ペレチャッコ!世界屈指のロッシーニ歌いの声がオペラパレスに響く

ゲジム・ミシュケタ【ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)】

ルネ・バルベラ【アルノルド・メルクタール】

オルガ・ペレチャッコ【マティルド】

タイトルロールのウィリアム・テルには、2022年『椿姫』で中村恵理と共演し、滋味あふれる表現で感動を呼んだ実力派、ゲジム・ミシュケタが登場します。ヴェルディやロッシーニを得意とするバリトン歌手のミシュケタは、イタリア各地でウィリアム・テル役を歌っており、この役に精通したスペシャリストです。青年アルノルドは、破格のスケールのロッシーニ・テノール、ルネ・バルベラ。バルベラは2020年『セビリアの理髪師』、21年『チェネレントラ』とロッシーニ作品で続けて新国立劇場に出演、超人的な声とテクニックを溌溂と披露し、『チェネレントラ』では連日アリアがアンコールされるほどのショーストッパーぶりを発揮しました。
アルノルドと恋仲となる皇女マティルド役は、今日のオペラ界屈指のスター、オルガ・ペレチャッコ。新国立劇場へはベルカントの新女王として話題を巻き起こした2017年『ルチア』以来の登場で、更に豊かに成熟した表現に期待が集まります。さらに、総督として強権を振るうジェスレル役には、日本を代表するバス歌手妻屋秀和、総督ジェスレルの命で頭に載せたりんごを父が射抜くエピソードが有名なウィリアム・テルの息子ジェミにソプラノの安井陽子、テルの妻エドヴィージュにはフランス音楽のスペシャリスト齊藤純子が出演。須藤慎吾成田博之村上敏明らオペラ界トップ歌手が贅沢にも脇を固め、大河ロマンのような大作歴史劇をダイナミックに織り成します。指揮は新国立劇場オペラ芸術監督・大野和士。ついに実現する念願の『ウィリアム・テル』上演に情熱を傾けます。苦悩と決起、葛藤と愛、誇りと希望が崇高に響く『ウィリアム・テル』にご期待ください。

左上より大野和士、Y.コッコス、G.ミシュケタ、R.バルベラ、安井陽子、妻屋秀和、O.ペレチャッコ、齊藤純子

『ウィリアム・テル』ものがたり
オーストリア圧政下のスイスの山村。長老メルクタールの息子アルノルドはハプスブルク家の皇女マティルドへの恋に悩んでいた。村一番の弓の名手ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)はオーストリアの支配に抵抗するよう、アルノルドを諫める。総督ジェスレルに反抗し村人を匿った咎で長老メルクタールが殺され、アルノルドは復讐を決意する。ルツェルン湖畔リュトリにウンターヴァルデン、シュヴィーツ、ウーリの3州の民が集まり決起を誓い合う。マティルドはアルノルドの決意を聞き、泣く泣く別れを交わすのだった。総督ジェスレルは表敬を拒んだテルと息子ジェミを捕らえ、息子の頭に載せたりんごを射ることができれば命を助けると告げる。見事に射抜いたテルだが、ジェスレルに投獄される。アルノルドがついに蜂起し、脱出したテルがジェスレルを倒す。アルノルドとマティルドは再会し、自由を祝う民衆の声が崇高に響く。

『ウィリアム・テル』相関図

新国立劇場『ウィリアム・テル』トレイラー映像