PR TIMES プレスリリース

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諏訪湖の神事と気候変動描く映像作品『御渡り』 タイの国際映画祭でドキュメンタリー部門審査員大賞を受賞

2024年02月19日
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一般社団法人グリーンピース・ジャパン

左から高田久代(グリーンピース・ジャパン)、宮園夕加氏(HELP展クリエイティブ・ディレクター)、小野友資氏(『御渡り』監督)、主催者クリストファー・G・ムーア氏
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都港区)が製作した、気候変動の影響で存続の危機に立つ長野県・諏訪湖の伝統神事をテーマにした映像作品『御渡り/MIWATARI』が、日本時間の18日、タイ・バンコクで開催された気候変動がテーマの映画祭「Changing Climate, Changing Lives Film Festival(以下、CCCL)」(注1)のドキュメンタリー部門で審査員大賞を受賞しました。御渡り(神渡り、御神渡り)は、昼夜の寒暖差によって湖面に巨大な氷の筋が現れる自然現象で、近年の気候変動でその出現が減少しているさまを約11分間の映像に収めています。
全体で383本のショートフィルムの応募があり、その中から選出された38本がCCCL映画祭正式出品作品として上映されました。2月18日に行われた授賞式では、グリーンピース・ジャパン、プロジェクト・マネージャーの高田久代とHELP展(注2)クリエイティブ・ディレクターの宮園夕加氏、『御渡り』監督の小野友資氏が賞を受け取りました。なお賞金(50,000バーツ)は、アートを通して日本での気候変動の影響を表現する若いクリエイター等の支援に活用する予定です。

御渡り神事を司る八劔神社宮司、宮坂清氏
「短編映画『御渡り』が入賞したことは望外の喜びであり、気候変動の認知を広げる審査員に敬意を表します。今後も諏訪湖の観察、記録、拝観神事を継承していきたいと思います。2月17日には、八劔神社で『明けの海』であった旨の奉告祭を行いました(注3)。災害のない穏やかな地球であることを祈っています」
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『御渡り』監督、小野友資氏
「栄誉ある賞をいただき心より感謝申し上げます。この映像を通じて気候変動が私たちにとって身近な問題であり、生活に密着しているということを少しでもみなさんに認識してもらえたら嬉しいです。 これからも気候変動に対する意識を高め持続可能な未来に向けて日々考えていきたいです」

グリーンピース・ジャパン プロジェクト・マネージャー、高田久代
「HELP展で多くの方の共感を呼んだ『御渡り』が海を超え、言語や社会的背景を異にする審査員と観客の心に響いたことに、優れた映像作品の持つ力を改めて感じ、受賞を光栄に思います。同時に、580年以上続く御渡りが、この冬で6季連続で観測されないばかりか、湖の全面結氷自体が起こらなかったということに、空恐ろしさを感じます。ぜひ多くの方に作品を見ていただき、『明けの海は私たちに、謙虚に生きなさい、自然と共に生きなさい、と警鐘をならしている』と語る宮坂宮司の言葉に思いを巡らせていただきたいです。また、身近な気候変動の影響に特化し、若い映像作家を支援するというCCCL映画祭の趣旨に賛同するとともに、日本でもこのような映画祭が行われることを期待します」

(注1)短編映画を通じて気候変動の認知を広げることを目的とする映画祭で、2019年にタイ在住のカナダ人小説家クリストファー・G・ムーア氏によってタイで創設された。
(注2)昨年11月にグリーンピース・ジャパンが東京で主催した気候変動をアートで感じる展覧会。今回出品した映像作品『御渡り/MIWATARI』が展示された。
(注3)2024年も御渡りは観測されず、6年連続の明けの海となった。





<映画祭概要>
映画祭名:Changing Climate, Changing Lives Film Festival
開催日時:2024年2月15日〜2月18日
開催地:タイ・バンコク
公式サイト:https://en.ccclfilmfestival.com/



<作品内容>
作品名:『御渡り/MIWATARI』